・宮脇くん、ベストプレゼンテーション賞奨励賞の受賞 (H21.12.14)
秋に開催された可視化情報学会全国講演会で講演を行ったM1の宮脇くんが,ベストプレゼンテーション賞奨励賞を受賞しました.

ディジタルホログラフィの3次元記観測領域を拡張する次世代の「3次元スキャナー」の研究を進めている宮脇諭くん.
簡単に物体のデジタルコピーがとれる,“夢の3次元コピー機”の実用化を目指し,実機開発に取り組んでいる.

ディスカッションで生まれたアイデア.すぐに電気店へ買出し.

& 学部を終えてから,私は計測研に移りました. ディジタルホログラフィと出会ったのは,このとき.指導教官が,この分野の専門家だったんです.漠然と“光に関する研究”に興味があった私は関心を持ちました.

& 取り組む研究テーマ,「ディジタルホログラフィの3次元観測領域の拡張」には,非常に大きなCCD素子が必要というもの.そこで,現在市販されている最大の素子の大きさを調べるところからスタートしました.

& すぐに手に入る素子は,一眼レフに使われる35mm程度のものでした.ある日のディスカッションで,指導教官と,「ラインスキャン,たとえばフラットベッドスキャナが使えるのでは?」ということになり,早速近くの電気店へ買いに行きました.
1台,スキャナをダメにしました.

& どうすれば,市販のスキャナでホログラムパターンが撮影できるか.ホログラムの干渉を邪魔する部品を1つずつ外したり,新たに作成した部品をとりつけたり,1ヶ月以上にわたって試行錯誤を重ねました.

& ほんとうにいろんなことが起きました.スキャナヘッドが原点位置に戻らない,ホログラムパターンに縦縞が入ってしまう.その度に検討する.手詰まりで,馬鹿げたアイデアも試しました.思い立ってマジックでランプを塗りつぶして,1台,スキャナをダメにしました.

& 機器作成の難しさで実感したのは,市販品は別用途に使えるように設計できていないこと.当たり前ですが,限界までコストダウンされた機器は,全ての部品が過不足無く補完しあっています.設計の意図をくみ取り,一部のセンサを無効にすることで,ようやくホログラムパターンが撮影できました.
“話す”,“書く”,“読む”

& 計測研では,“話す”,“書く”,“読む”を大事にします.とにかく研究はコミュニケーション.自分の考えをプレゼンテーションで“話す”,論文を“書く”.また,他の研究者の考えを論文やテキストから“読む”必要があります.

& ようやくホログラムパターンが撮影できた頃,指導教官から「今の内容をまとめて,秋の学会で発表してみませんか?」と“話す”機会を与えられました.人前で“話す”ことに抵抗はありませんが,いざプレゼンテーションを研究室でやってみるとなかなか意図が伝わりません.

& どんな聴衆に何を伝えるのか?という視点が無いことに気付くまで,指導教官や研究室のメンバーに練習を付き合って貰いました.今回,受賞という形で,少しはお返しが出来たのかもしれません.まだまだ,研究計画の半分も進んではいません.“話す”,“書く”,“読む”を磨きながら,確実に“夢の3次元コピー機”の実用化を進めていきたいと思います.
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© Measurement System Laboratory, Kyoto Institute of Technology.